男声合唱が光り輝いていた時代、全国の大学ではそれぞれ独自性のもと、お互いにしのぎを削っていた。しかし日本の高度経済成長の中、彼らが社会に出てからも歌いつづけるにはあまりにも忙しすぎた。
大学グリーを卒業してもOB合唱団しか選択肢が無い。曲もない。そんな男声合唱界を活性化しようと積極的に活動をする団体が東京にある。20,30歳代の学生、社会人が中心となり都内で「楽しく歌い、飲み、騒ぐ」活動を精力的に続けている。
伝統と栄光に裏づけされたOB系合唱団と違いその歴史も独特である。
1998年4月、転勤のため東京に越してきた「なにわコラリアーズ」のメンバーとその仲間によって設立。音楽監督である伊東恵司氏(なにわコラリアーズ等指揮者)の「関西がナニワ やから、東京はお江戸でしょ」という一言から「お江戸コラリアーず」(「ず」は平仮名)と名乗ることになる。
その後、東京都合唱コンクールで3年連続銀賞を受賞するなど結果を残すものの、活動は必ずしも順調ではなかった。
仕事、転勤、結婚、育児など20代30代の環境は激しく変化し、毎年団員の3分の1が入れ替わる。
出身大学の伝統的な発声が時にはハーモニーのバランスを崩すこともあった。
それであればと伝統にとらわれず常に変化する柔軟な合唱団として方向転換。年齢や出身大学にとらわれない雰囲気を大切にし、個人的な事情で参加できない団員には中期的・短期的な視点でフォローアップを実施する一方、発声の課題解決の為、ボイストレーナーとして大島博氏の指導を仰ぐ。
「全員が主役」をモットーに、男声合唱の新たな響きとスタイルの獲得を目指し活動している。
通称「おえコラ」「おえど」「OC(おーしー)」「OED(おーいーでぃー)」など